体調を崩しても、自分の存在意義として作品を作る手を止めずに描き続ける【冴木みやこ】

クリエイターインタビュー

BONATHIA で活躍するクリエイターの方をご紹介する特集。
8回目の今回は、冴木みやこさんを ご紹介します。アーティスト活動を始めたきっかけや制作、これからの目標などを伺いました。

体調を崩しても絵を描くことをやめずに活動を継続

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―冴木さんはいつ頃から作品を作り始めたのですか?

幼稚園の時から絵が好きで、物心ついたころからお絵描きをしていました。お客様からお金 をいただいて作ったのは、専門学生の時が初めてです。
当時は高校を卒業してプログラミングの学校に通っていたのですが、その傍らでずっと書き続けていました。

―アーティスト活動をしながらプログラミングも学ばれていたとは、多才ですね。

多才と言うよりも、絵は趣味として描いていたので、仕事とは別で考えてたからです。 そのため就職を考えてプログラミング関係の他にも医療事務や簿記等様々な資格を取りました。
実際本業は、卒業後は医療事務、現在はインフラの調査会社で働いています。
働きながらもずっと絵は趣味として描いてはTwitterやpixivなどにアップしていました。

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―現在のように、お仕事として描くようになったきっかけはあったのですか?

作品をSNSにあげたりお絵描き配信をしたりする中で、私の絵を見てくれた方が「描いてほしい」と連絡をくださったことがきっかけでした。
その方にはアイコン用のイラストをご依頼いただき、初めて自分の描いたものを作品として販売しました。その後もアイコンのイラストを作成したり、MMORPG(マッシブリー・マルチプレイヤー・ オンライン・ロール・プレイング・ゲーム:大規模多人数同時参加型オンライン RPG)のコスチュームデザインを考案したりと、色々な場面で描いていました。
ただ、数年前に体調を崩してからは依頼は受けず、ゆっくり制作しており、年に5作品くらいのペースになりました。

―体調を崩された中での制作は、きっと非常に大変ですよね。

特定疾患に罹り体力も落ちましたし、調子が良い日以外は手が震えてしまうので、思うように手が動かず文字も絵も描けなかったりするので大変ではあります。
そんな中でも、描ける時には時間をかけて作品と向き合うようにしています。

アパレルのデザインをきっかけに「好きなものを表現していい」と気づく

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―作品の特徴として、歯車やアゲハ蝶がよく登場しますよね。これらをモチーフにするよう になったきっかけは何かあるのですか?

はい、2015年ころにイベントに来ていったファッションがきっかけです。
私はフリルのつ いた可愛い服をよく着ているのですが、イベントにあわせて自分でTシャツをデザインし ようと思い、「せっかくなら、自分の好きなテイストのデザインにしよう」と思い、歯車などを描きました。
どういう反応をするだろうと心配だったのですが、「いいね」「凄いね」と言ってもらい、「こういうものも表に出していいんだ!」と思えるようになりました。

―作品を作るときに心掛けていることはありますか?

お客様からの依頼ではなく主体的に作る作品では、自分が好きなものを描いています。自分が楽しくなければ、ずっと描き続けることはできないと思っています。
ご依頼いただいた場合は、できるだけ相手の理想に近づけられるようにしています。資料があればいただいて細かくヒアリングし、どんなものを求めているのかを理解します。理想が固まっていればスムーズに進みますが、そうでないことも多いです。その場合は、下書きの 段階でしっかりチェックしてもらい、細かくやり取りしながら直していきます。

―時間がかかりそうですが、作品を一つ完成させるまでに、どのくらいかかるものなのでしょうか?

作品やコンディションなどによってまちまちです。ノッていれば速く描けますし、悩み続けてひたすら寝かせることもあります。ご依頼をいただいたものは納期があるため、そこにあ わせて描き上げます。

―冴木さんが作品を通じて伝えたいことなどはありますか?

私の方から「この作品を見たらこう思ってほしい」と考えることはありません。作品を目に したときに、その方が「ここが好きだな」「ここがいいな」と思ってもらえたらそれで十分です。私はもともと自分が好きなものを自由に描いているので、そんな作品を他の誰かにも 好きになってもらえるとそれだけで嬉しいです。

作品を作ることが、自分の存在意義につながる

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―アナログとデジタル、どちらで描くことが多いですか?

もともとアナログで描いていたのですが、今はデスクトップPCにペンタプを使うことが多いです。アナログで描いていたころは、色鉛筆やパステル、アクリル絵の具などを使っていました。
最近気になっているのが、アルコールインクアートです。アルコールインクをそのまま使う のではなく、アルコールインクらしい表現がデジタルで実現できたら面白そうだと思って います。

―新しい試みですね。そういった挑戦をしていると、制作を始めてから行き詰ることもあるのではないですか?

よくあります。頭の中では描きたいものが浮かんでいるのに、それを上手く表現できないときです。そういう時は無理せず、一度その作品から離れています。時間を置いてから向き合うことで、 それまで見えなかった部分が見えることもあります。過去には、数年ほど放置してから出来 上がった作品もありました。

―時間を空けることで、客観的に見られるようになるのですね。反対に、作品作りで楽しい のはどんな時ですか?

自分の好きなものを詰め込む作業はとても楽しいです。こまかい部分にこだわって、1mmずつ位置をズラす作業などする時は集中しています。デジタルで大部分を作った後、アナログで描いたように見えるよう加工していく作業も好きです。

―自分の好きなように描く時と、依頼があって制作する時はやはり心持も違いますか?

はい、お仕事のご依頼で制作する時は、「きちんとお金に見合った仕事をしよう」という気持ちが生まれます。クオリティもそうですし、納期を守るといった基本的なことも意識します。
初めて仕事として描いた時も、もちろん嬉しかったのですが、「お金をいただくなら、きちんと描かなくては」という気持ちが強かったです。
また、「本当に私でいいのかな」という思いもありました。でも、せっかく声をかけていただいたからと思い、一生懸命取り組みました。

―これから取り組んでいきたいことや目標はありますか?

いつか、知らない人とすれ違った時に、私がデザインしたものを持っているという出会いがあれば嬉しいなと思っています。
また、最近、iPadProを使えるようになったので、もっとしっかり活用していきたいです。iPadProならベッドの上でも描けるので、ある程度できたものを PCで仕上げるという工程にしてい きたいです。体力が落ちている中でも、これなら無理せず描き続けられると思います。

―体調を崩されたり仕事としてのプレッシャーを感じたりする中でも、作品を作りたいというモチベーションは、どこから来るのでしょうか?

作品作りは私にとって、自分の好きなものを好きだと伝えるツールになっています。もっと大きく言えば、「存在の主張」です。実際に、絵を描いているからつながった人もいれば、生まれた仕事もあります。だから大変なことはあっても、少しずつでも描いていこうと思っています。

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