アートで自分の「生」を表現し、目にした人の世界が広がる作品を生み出す【syaame】

クリエイターインタビュー

BONATHIAで活躍するクリエイターの方をご紹介する特集。今回は、Syaameさんをご紹介します。アーティスト活動を始めたきっかけや制作、これからの目標などを伺いました。

うつ病のなかで新たなチャレンジとしてデザインを始める

―Syaameさんはどういったきっかけでアーティストとしての活動を始めましたか?

もともと、子供のころから絵や音楽が好きでした。漫画家を目指していたことがあったり、音楽を作ってみたり、いろいろな活動をしていました。何度も「もうやめよう」と思っては、結局は戻ってきてしまう繰り返しでしたね。20歳のときには、HPで自分の絵を発表しました。
本格的に活動を始めたのは、2016年です。実はその少し前にうつ病になり、まったく何もできない時期がありました。症状が落ち着いたので自分の力でしっかりお金を稼ぎたいと思い、デザインの仕事を始めました。

―具体的にはどんなことから始めたのですか?

最初に行ったのは、Tシャツのデザインです。それまでトレースの仕事は経験がありましたが、デザインは初挑戦でした。ちょうど、Photoshopが買い切りプラン以外に年額プランが出たこともあって、チャレンジしやすくなったことも大きかったです。

―憧れのアーティストや、影響をうけたアーティストの方はいますか?

あまりにたくさんいるので一人選ぶのはとても難しいですが、CLAMPさんはずっと大好きです。特に『聖伝-RG VEDA-』の3巻は何度も読んでいて、目の描き方など細かい点までよく見ています。
あとは萩原一至さんも好きですし、憧れの方は本当にたくさんいます。

―初めて作品が売れたときのことを教えてください

2016年の後半に、Creemaでスマホケースが売れました。出品してから、2~3か月後のことだったと思います。嬉しいという気持ちより、とにかく驚きでした。初めてことだったので、お客様とのやり取りも「これであっているのかな?」と思いましたし、手元に届いてから気に入ってもらえるか不安でした。

目にした人が自分の世界を広げられる作品を作る

―作品を作る環境などについて教えてください。

制作は和歌山の自宅で、一人でやっています。もともと一人が好きで、その方が集中できます。
よく使う色はブルーで、モチーフとしては宇宙や花、空、星などをよく取り入れています。じっくり考えて取り組むこともありますが、あえて何も考えず描き始めることもあります。

―作品完成までにどのくらい時間がかかりますか?

調子がいいと1~2日で完成しますが、何か月も完成しないのもあります。形にはしたいのですが、どうしても上手くいかないんです。私はデジタル素材をコラージュして重ねながら作っているのですが、自分の中で頭の中でイメージしたものに必要な素材探しが大変です。こういうものが欲しいと明確に考えても、その通りのものがないことはあります。
行き詰ってくると、自分も作品も寝かせるようにしています。いったん置いておいて、別の作品に向き合うのです。今も寝かせているものがいくつかありますが、これは時間をおくことで新しく生まれ変わります

―作品作りには、どんな道具を使っていますか?

Photoshopやillustratorなどを使っています。最近、久々にアクリル絵の具で抽象的な絵を描き始めました。すぐ飽きるかもしれないと思ったのですが、意外とが続いています。今、絵を描き上げてスマホケースにしようとしています。アクリル絵の具は重ね塗りできるのが魅力です。
デジタルは完成した後にきれいだと言っていただくこともありますが、アナログは、「下書きはいいのにね」と言われることもあります。デジタルは作りたい色を出しやすいですが、アナログだと難しいからかもしれません。
これから、デジタルとアナログでの表現の幅を広げていき、組み合わせた作品も作っていきたいと思っています。

―Syaameさんの作品の、一番の魅力はどこだと思いますか?

私の作品を観た方が、自分の物語を作ってほしいです。こちらから何かを押し付けるのではなく、自分の世界を広げてほしいと思っています。私はあれこれ言わないので、観た方からの感想をもらうと「そんな見方があるのか」とものすごく新鮮で、気づかされることも多いです。

―感想をいただくこともあるんですね。

はい、本当にその場で頭を下げたくなるほど嬉しいです。スマホケースを購入された方から、「子供が気に入ったので買いました。手元に届いたときはすごく喜んでいて、きれいと言っていました」「持っていると幸せな気分になれます」「会社で評判がよく、スマホケースがきっかけで話しかけられるようになりました」などメッセージをいただくととても嬉しいです。その人の生活に寄り添えたと感じます。
ただ、厳しい意見が来ることもあります。私は100人から温かいコメントもらっても、1人から辛辣なコメントが来るとそちらばかり気になって引きずってしまいます。時には、もうやめようかと思うほどです。そういうときは親に話を聞いてもらったり、SNSでつらい気持ちを吐き出したりします。

アートは自分の「生」を表現すること

―作品を作るうえで、心がけていることはありますか?

自分がわくわくすることが大切です。楽しく作れるように心がけていて、買ってくださった方もそのわくわくを感じてくれるといいなと思っています。暗い気持ちで描くと、どうしてもそれが作品に出てしまうんです。
アナログでもデジタルでも、ふとものすごく楽しくなるときがあります。「この時間がずっと続け」と感じて、私がアート活動をやめられない理由になっています。ただこういう感覚が訪れるのは不定期で、なかなか来ないことも多いです。
また、そういった感覚が訪れた作品が必ずしも素晴らしいかというと、そうでもありません。淡々と作ったものに人気が出ることもありますし、生みの苦しみを感じたものが売れないこともあります。

―プロとしての苦しさですね。

私は、自分のことをプロだとは思っていないんです。とはいえ、趣味でもありません。なんとなくアーティストだとは思い始めているとことです。
趣味というのは、楽しめる範囲での活動を指すと思います。プロ寄りになると苦しみが増えてくるものです。私の作品作りは、趣味というには苦しみがあるものだと思います。また線引きの仕方でいえば、お金という対価を得られたらプロになるのかと思います。

―Syaameさんにとって、作品作りのとはどんな意味を持っていますか?

自分が生きていることを表現するものです。作っていて苦しい作品も楽しい作品もありますが、いずれも自分自身が出ています。だから、たとえ商売として上手くいかなかったとしても作っていきたいです。
今後のチャレンジとして、個展を開きたいと考えています。また、海外の人に自分の作品を手に取ってもらえる機会を作りたいですし、NFTにもチャレンジしたいです。

―最後に、作品を通してお客様に伝えたいことを教えてください。

作品を観た方の気持ちが晴れたらと思っています。私はコンプレックスの塊で、昔から自己肯定感が低かったんです。それでも、いろいろな挑戦はしてきました。アート以外にも声優の養成所に通ったり、朗読の勉強をしたり、チャレンジしては挫折しています。
自分の中でやりたいことが見つかっても、人と比べたり、ここぞというときに緊張して実力が出せなかったりするタイプなんです。だから自分では、かっこ悪い人生を歩んでいるなと思っています。最近では他の人が作った素晴らしい作品を観て、悔しくて嫉妬することもあります。でも、そういう気持ちを持っているからこそ完成した作品もあります。
だから私の作品を観た方がこういうネガティブな気持ちを持っていても、それでいいんだよと、自己肯定感を持ってもらえるように思いを伝えたいです。

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